
(1)国家戦略特別区域とは
国家戦略特別区域法において定められる国家戦略特別区域とは、地域振興と国際競争力の向上を狙った経済特区のことです。民泊に限らず、エリア内では従来の規制を大幅に緩和することが認められています。
2013年6月に特区の創設が閣議決定され、同年12月に国家戦略特別区域法が成立。2017年9月時点で、下記の地域が国家戦略特区に指定されています。
【国家戦略特区の一覧】
- ・東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)
- ・関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)
- ・新潟県新潟市
- ・兵庫県養父市
- ・福岡県福岡市
- ・福岡県北九州市
- ・沖縄県
- ・秋田県仙北市
- ・宮城県仙台市
- ・愛知県
- ・広島県
- ・愛媛県今治市
特区民泊では、内閣総理大臣および都道府県知事から「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」についての認定を受けることで、旅館業法の規定が適用されないというルールになっています。国家戦略特区に指定されている自治体は、自ら条例を定めることで「特区民泊」を行うことができるのです。
ただし、国家戦略特区の全てで「特区民泊」ができるわけではありません。あくまで条例を定めた自治体だけ、という点には注意が必要です。
(2)特区民泊が可能な自治体
特区民泊は、2016年1月に全国で初めて東京都大田区が取組みを開始しました。大田区は羽田空港から近く、東京・神奈川の主要観光地への良いため人気の地域。特区民泊の先駆けであるだけではなく、2017年12月には全国で初めて民泊の規制条例も成立しました。
大田区だけではなく、現在では、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市でも取組みが開始され、各方面からの関心が高まっています。
(3)特区民泊の主な認定要件
特区民泊の認定を受けるための主な要件としては、下記が挙げられます。
【対象施設】
- 宿泊施設が特区民泊が可能な地域(国家戦略特別区域)内にあること
- 一居室の床面積が25㎡以上であること
- 客室に専用の出入り口、台所、浴室、トイレ、洗面所があること
【宿泊期間】
- 宿泊施設の滞在期間が2泊3日以上であること
【民泊事業者の責務】
- 外国人旅客の滞在に必要な情報提供(施設の使用、緊急時の情報など)
- 滞在者名簿の備え付け
- 施設周辺地域の住民に対する適切な説明
- 施設周辺地域の住民からの苦情および問合せへの対応
- 騒音などを起こさないこと
上記以外にも衛生設備や消防設備などに関する様々な要件がありますが、詳細は各自治体に確認の必要があります。なお、認定要件を満たすことができれば、特区民泊は分譲マンションの一室で運営することも可能です。ただし、マンションの規約でそもそも民泊が禁止されていることもありますので、必ず確認を行いましょう。